介護マガジン

介護の話題をもっと気さくに。もっと楽しく。

【認知症状】物盗られ妄想の特徴と対策

f:id:marucomex:20180511120826p:plain

私の服がない!

私の財布がない!

私のカバンがない!

 

このように、認知症の高齢者から『なにかを盗まれた』という訴えが頻繁にあります。

 

私たち介護士の間で物盗られ妄想と呼ばれるものです。

 

認知症状には様々なものがありますが、その中でも対応が難しい部類に入るでしょう。

 

そして、本人も周りの人間も気分の良くない症状の一つです。

 

なにかを盗られた、という気分になるのは気分が悪いでしょうし、

 

盗られた、ということは誰かが盗ったということになるので、周りの人間も疑われていることになりますからね…。

 

今回は、この物盗られ妄想の特徴や対応の仕方について書いていきます。

 

 

物盗られ妄想の特徴

 

f:id:marucomex:20180511121409p:plain

物盗られ妄想は、本当に持っているもの、持っていたものが盗られた。と訴えがあることが多いです。

 

初めからありもしないものを「なくなった、盗られた。」と訴えているというのはほとんど聞いたことがありません。

 

施設を利用している時に、自宅に置いてきているモノが手元にない。

 

過去に持っていたが、すでに破棄したり手放しているモノが当然手元にない。

 

このような事が引き金になり、なぜかそれが『盗られた』という認識に変わった後、本人の中ではそれが真実となっていくのです。

 

→手元にない

→なぜ?不安になる

→盗られた?(疑惑・不安)

盗られた!(確信)

→ここからはつじつまを合わせるために作話が始まることも。

 

この流れで物盗られ妄想は始まっていきます。

 

認知症状の物盗られ妄想×作話(作り話をする)で本人は被害者モードに

物盗られ妄想というのは、実際にはモノを盗まれていないにも関わらず、そう思い込むことです。

 

ですので、実際に盗られたという事実はありません。

 

ということは、つじつまが合わないことがたくさん出てくるわけです。

 

そのつじつまを合わせる為に、作り話が始まることも少なくありません。

 

「あなたは見ていないけど、この部屋に入っている人を見たの。その人が私の荷物を持って出てきた。」

 

「ここではよくモノが盗まれるっていう話を聞いた。」

 

などの発言です。事実ではないその話を裏付けるために、作り話をして説明をしようとするのです。

 

しかし、本人に悪気はなく「盗られたんだ。」ということは真実になっているので、作り話もしているうちにだんだんと真実と思い込んでいるように感じます。

 

物盗られ妄想がある方への関わり方(声かけ)と解決法

私の施設では、利用開始時に持ち込み荷物を全て把握するようにしています。

 

これにはいくつか理由があって

 

忘れ物や紛失物があったときの保険

危険物や持ち込み禁止物の確認

【物盗られ妄想】の訴えがあった際に説明するための基準

 の為に荷物の確認を行うようにしています。

 

私の○○が盗られた!

 

と訴えがあった際に、

 

「利用開始時に持ってこられていませんよ。」

 

という説明をするための基準になります。

 

症状の強さの度合いや、ご本人の性格にもよりますが、説明によって納得される方いくら説明しても納得されない方がいらっしゃいます。

 

筋道を立てて、

 

「利用開始時はこれだけしか持ってきておられないので、ご自宅に忘れてきたのでは?」という説明で

 

「あら、そうかもね。」と納得する方もいれば、

 

絶対に持ってきた!盗られた!」と譲らない方もいらっしゃいます。

 

どれだけ説得しても納得されない、落ち着かれない方への対処法

 

f:id:marucomex:20180511122712p:plain

●これ以上不穏・興奮状態が続くと利用が難しい

●他利用者に迷惑をかけてしまう

 

という状況になった場合は、

 

ご家族に連絡し、その『モノ』が自宅にあるか確認していただく。もし可能ならご持参いただき手元に持っておいてもらう

 

という対応をとります。

 

それが難しい場合には、

 

「探してみますね。一緒に探してみましょう」とひたすら探す対応をし、あきらめてもらうのを待つ。

 

または、時間を空けることで、執着が薄れるのを待つ。という対応をしています。

 

レクリエーションや娯楽などで好きな事があればそれをすすめてみたり、コーヒーやお菓子などを提供をして、何気ない雑談をしたりします

 

基本的には、この対応をしているうちに話が流れていくか、その話自体を忘れてしまうという形で終息していきます。

 

物盗られ妄想は一度落ち着いても何度も繰り返す

f:id:marucomex:20180511121820p:plain

物盗られ妄想がある方は、何度も同じ訴えを繰り返します。

 

数時間後に同様の訴えがあったり、翌日、数日後には同じ訴えがあることがほとんどです。

 

根気よく対応することが求められますが、

 

本人からすれば「本当に盗られた。なんとかしてほしい。」という想いのもとに訴えをしているので、

 

頭ごなしに「盗られていない、あなたは間違っている」ということを諭すのではなく、

 

本人からすれば本当に盗られて困っている気持ちなんだな。ということを踏まえて対応していけたら、少しでも解決に近づくのではと思います。

 

 

                       f:id:marucomex:20180626122024p:plain